【保湿ケア】ヒアルロン酸の種類と特徴について解説

【保湿ケア】ヒアルロン酸の種類と特徴について解説

化粧品に使用される代表的な保湿成分のヒアルロン酸。ひとくちにヒアルロン酸といってもヒアルロン酸Naをはじめ、アセチルヒアルロン酸Naや加水分解ヒアルロン酸など様々な種類があるのをご存知でしょうか。

本記事では化粧品で使用されるヒアルロン酸の種類や特徴について解説します。ヒアルロン酸を配合したおすすめ保湿ケアアイテムも紹介するので、ぜひ購入する際の参考にしてみてください。

そもそもヒアルロン酸とは?

ヒアルロン酸は、私達の肌にもともと存在する直鎖状のグリコサミノグリカン(ムコ多糖)の一種。肌以外にも関節や眼球などにも多く含まれ、重要な役割を果たしています。
コラーゲンやエラスチンなどとともに真皮層を構成しており、肌のうるおいやハリを保つために重要な働きを担っています。

ヒアルロン酸やコラーゲン、エラスチンは、いずれも加齢に伴い体内での生成量が減少します。そのため、年齢を重ねるにつれて徐々に肌が乾燥しやすくなり、ハリや弾力が失われてエイジングサインが目立つようになります。

コラーゲンやエラスチンとの違いは?

コラーゲンやエラスチンは、ヒアルロン酸同様に真皮層に存在する成分です。これらはタンパク質でできており肌のハリや弾力に大きく関わっているのですが、水分を保持する力はあまり強くありません。

それに対してヒアルロン酸は多糖類からできており、たくさんの水分と結びついて抱え込むことができるため、高い保水力を発揮することができます。

ヒアルロン酸の効果

化粧品に使用される場合におけるヒアルロン酸の効果について解説します。

保湿作用

ヒアルロン酸は1gで2〜6Lの水分を抱え込むことができる高い保湿力をもつのが最大の特徴。保湿成分として化粧品に用いられる代表的な成分の一つです。

ただしヒアルロン酸の分子量が大きく、肌表面から真皮層まで浸透することはできません。そのため、化粧品においては肌表面もしくは角質層の水分保持効果を発揮しますが、真皮層のヒアルロン酸を補うことはできません。

肌のハリを保つ

ヒアルロン酸は真皮層において、たくさんの水分を含むことでクッションのような働きをしています。そのため、ヒアルロン酸の量が減少すると肌のハリや弾力が失われる要因となります。

テクスチャー(質感)の調整

ヒアルロン酸は粘稠性(ネバネバした性質)があるのも特徴。この性質を利用し、化粧品のテクスチャー(質感)を調整して使用感を良くするためにも効果を発揮します。

ヒアルロン酸の種類と特徴

ヒアルロン酸は構造や機能性の違いから、主に以下の5タイプに分類することができます。

  • 基本型
  • 高保湿型
  • 浸透型
  • 吸着型
  • 修復型

それぞれのタイプの特徴について解説し、代表的なヒアルロン酸成分を紹介します。

基本型

様々な化粧品に使用されている最も一般的なヒアルロン酸成分。分子量が大きく、角質層には浸透性には乏しいのが特徴です。

肌表面にとどまり、多くの水分を抱え込むことによって、肌の水分量が高まり、乾燥を防ぎます。また、ベタつき感が出やすいのも特徴といえます。

例:ヒアルロン酸Na

高保湿型

アセチル基やカルボキシメチル基を付加することで、水分を取り込む力をより高めたヒアルロン酸成分。基本型同様に、分子量が大きいので肌表面にとどまって保湿効果を発揮します。

例:アセチル化ヒアルロン酸Na、カルボキシメチルヒアルロン酸Na

浸透型

酸や酵素によって加水分解することで分子サイズを小さくしたヒアルロン酸成分。保湿効果自体は低下してしまうのですが、分子量が小さくなったことで角質層への浸透性が高まり、肌なじみが良くなるのが特徴です。

角質層のすみずみまで浸透し、角質層の水分量を高めることによって肌の内側から保湿効果を発揮します。

例:加水分解ヒアルロン酸

吸着型

プラスのイオンを持つ構造を付加したヒアルロン酸成分。髪や肌表面はマイナスの電荷を帯びているため、プラスイオンを付加することで吸着性を高めることができます。

洗っても流れにくくなるため、吸着型のヒアルロン酸成分は洗顔料やシャンプーなどによく使用されます。

例:ヒアルロン酸ヒドロキシプロピルトリモニウム

修復型

分子量を小さくするとともに、油分となじみやすくなるように親油基を結合して両親媒性にしたヒアルロン酸成分。保湿力は低下しているのですが、両親媒性になったことでセラミドと同じラメラ構造を形成し、肌のバリア機能を高める効果が期待できるのが特徴です。

例:加水分解ヒアルロン酸アルキル(C12-C13)グリセリル

ヒアルロン酸配合おすすめ化粧品5選

1.SAM’U|PH センシティブトナー

    出典:SAM’U公式

多くの敏感肌向けアイテムを展開するSAM’Uの大人気化粧水。分子サイズの異なる3種類のヒアルロン酸がそれぞれ違う場所で作用することで、より高い保湿力を発揮します。
肌バリア機能をサポートする保湿成分のセラミドNPや、肌荒れ防止成分のツボクサエキスやドクダミエキスを配合しており、健やかな肌状態に導く効果も期待できます。

粘度の少ないサラッとしたテクスチャーで、スッと肌になじむ使用感が魅力。脂性肌の人や暑い夏の季節にも使いやすいのが魅力です。

2.ONE THING|ヒアルロン酸化粧水

   出典:ONE THING公式

自然由来の成分にこだわった製品を扱う韓国のスキンケアブランドONE THINGの化粧水。植物由来成分のみを使用し、合成保存料などの添加物を使用していないシンプルな設計がONE THINGの特徴です。
こちらは加水分解ヒアルロン酸Naとヒアルロン酸Naという2種類のヒアルロン酸成分を保湿成分として配合している化粧水です。

ヒアルロン酸の他にも水溶性保湿成分のBGも配合していますが、水分蒸発を防ぐエモリエント剤は配合されていないため、乾燥肌の人は必ず乳液やクリームなどのアイテムを併用するようにしましょう。

3.innisfree|グリーンティーシードセラム N

    出典:innisfree公式

保湿成分として茶葉由来の成分を配合しているinnisfree定番の導入美容液。保湿力の高い5種類のヒアルロン酸に加え、緑茶乳酸菌とセラミドNPも保湿成分として配合しており、肌にうるおいを与えるだけでなく、バリア機能のサポート効果も期待できます。

クリーミーで比較的しっとり感のあるテクスチャーですが、べたつきにくいのが特徴。また、合成色素や鉱物油、パラベンなどの敏感肌の刺激になりうる8つの成分を使用していないのも嬉しい点です。

4.Anua|ドクダミ70% デイリーローション

   出典:Anua公式

自然由来の成分にこだわった韓国のスキンケアブランドAnuaの乳液。ツボクサエキスに加えドクダミエキスを70%も整肌成分として配合しており、肌荒れを予防しつつ肌を整えてくれます。

また、保湿効果の高い3種類のヒアルロン酸やセラミドによって肌にうるおいを与えるだけでなく、バリア機能もサポートして健やかな肌状態の維持が期待できます。
油分が少なめでみずみずしいテクスチャーが特徴。べたつきが少なく爽やかな使用感なので、さっぱり感とうるおい感の両方を兼ね備えています。

5.MEDIHEAL | ミルクブライトニングクリーム

   出典:MEDIHEAL公式

整肌成分としてミルク成分を配合したなめらかなミルクのようなつくりが特徴の保湿クリーム。公式ではパックで保湿したようなうるおいを肌に導くと謳っています。
3種類のヒアルロン酸と3種類のヒト型セラミドを保湿成分として配合しており、肌にうるおいを与えるとともにバリア機能をサポートします。

また、整肌成分のナイアシンアミドは高いエイジングケア効果が期待でき、肌のハリ不足や乾燥によるくすみのケアもできます。
6つのフリー処方(人工香料・着色料・鉱物油・アルコール・パラベン・フェノキシエタノール)で敏感肌でも使いやすいよう配慮された設計も魅力です。

まとめ

ヒアルロン酸は肌にもともとあるうるおい成分の一つであり、高い保湿力と肌への刺激性の低さから多くの化粧品に保湿成分として使用されています。
ヒアルロン酸は大きく分けると5つの種類に分類されており、それぞれ保湿力や肌への浸透性、機能性が異なります。

肌の乾燥はバリア機能低下に繫がり、様々な肌トラブルも起こりやすくなります。ぜひ、保湿力の高いヒアルロン酸配合アイテムで保湿ケアをし、うるおいのある健やかな肌状態を維持しましょう。